中部日本放送健康保険組合

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お知らせ

良質の油ですこやかなからだづくりを

「すこやか健保」2018年8月号 すこやか特集
監修:堀 知佐子(管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師)

太りたくないから、健康に悪そうだからと、やみくもに油(脂質)の摂取を控えていませんか? じつは脂質はとても大切な栄養素。効率の良いエネルギー源となるだけでなく、肌を若々しく保ち、体調を整えてくれます。毎日の食事に良質な油を効果的に取り入れて、体質改善を!

1 脂質はエネルギー源!成人男性なら1日50g
 脂質は最も効率よくエネルギー源になる栄養素。炭水化物、タンパク質は1g当たり4kcalのエネルギーに変わるといわれ、それらに比べて脂質は1g当たり9kcalと高エネルギーです。もちろん取り過ぎは禁物ですが、食欲のないときには強い味方になってくれます。
 食事で取る脂質の割合は、1日の総エネルギーの約25%が目安です。必要な摂取量は男女差や年齢、生活スタイルで異なりますが、成人男性では1日約50g、成人女性で約40gです。
 脂質の主成分である脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。
 飽和脂肪酸は常温で固体のもの。バターやラードなど、動物性の油に多く含まれます。不飽和脂肪酸は常温では液体で、植物性の油に多く含まれるほか、魚にも含まれます。またオメガ3系脂肪酸、オメガ6系脂肪酸、オメガ9系脂肪酸などに分かれており、次の章で詳しく解説します。

2 意識して取りたいのは、体内で作れないオメガ3系脂肪酸
 不飽和脂肪酸のうち、オメガ3系脂肪酸は体内で作ることができない「必須脂肪酸」。生活習慣病の予防やうつ病、認知症の予防、アレルギー症状の改善などが期待できます。代表的なものは、えごま油や亜麻仁油などに含まれる「αリノレン酸」と、青魚に多く含まれる「EPA(エイコサペンタエン酸)」、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」です。
 オメガ6系脂肪酸の主なものは、ごま油などに含まれる「リノール酸」。体内で作ることはできませんが、比較的安価で日常的に多く使われているため、あえて意識的に取る必要はありません。
 オメガ9系脂肪酸は血液中の悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを維持する働きがあり、さらに整腸作用も期待できます。代表的なものはオリーブ油、菜種油、米油などに含まれる「オレイン酸」です。
 この中で最も積極的に取りたいのは、日本人の魚離れにより不足がちなオメガ3系脂肪酸で、EPA・DHA合わせて1日1g以上取ることが目標です。イワシなら2匹分、まぐろ(トロ)なら刺身2〜3切れです。

3 加熱調理にはオリーブ油を!えごま油は生食で
 油はその性質により、適した調理法があります。
 オメガ9系脂肪酸のオリーブ油、菜種油、米油などは、酸化しにくく栄養素が変化しにくいので、炒め物や揚げ物などの加熱調理に向いています。なかでもオリーブ油には抗酸化作用の高いポリフェノールが豊富に含まれ、からだの老化を防ぐ効果も期待できます。
 反対に、オメガ3系脂肪酸は熱に弱いため、生食で取りたいところです。魚を食べるときは、刺し身、しめ鯖などの酢じめ、カルパッチョなど、火を通さないアレンジをしましょう。また、発酵食品と組み合わせると栄養素を吸収しやすいので、えごま油や亜麻仁油を納豆やキムチにかけて食べるのもおすすめです。
 油は基本的に、空気や熱に弱く酸化しやすいため、冷暗所に保存しましょう。大容量パックではなく、色付きの(遮光性のある)小さなボトルを購入し、開封後は早めに使い切るのが良いでしょう。


COLUMN
「サラダ油」って何?
 サラダ油、キャノーラ油、菜種油などは混同しがちですが、その違いは何でしょう?
 まず菜種油は、日本の菜種(アブラナの種)が原料になっているオイル。一方でキャノーラ油とは、菜種を品種改良したキャノーラ種が原料になっており、カナダなど外国産のものがほとんどです。
 そしてサラダ油は、名前に原料名が入っていないことから分かるように、低温でも粘性がつかないよう加工されたもの。大豆油やコーン油、キャノーラ油などがブレンドされています。もちろん、からだに悪いものではありませんが、取りすぎないように注意しましょう。